安くても無届の違法探偵は危険!

探偵業には届出が必要ですが、無届の違法業者もたくさんいます。

 

「自分たちは無届だが、腕は確かで格安だ!」

 

そんな風に言う違法探偵に出会ったらどうしますか?

 

結論は危険なので絶対NGです。

 

その理由を明確に説明します。

 

考えられる無届の理由は4つ

なぜ無届探偵は危険なのか?

 

「届出」は簡単なのにしない理由から考えていきましょう。

 

無届探偵は罰金・懲役

探偵業の営業には公安委員会への「届出」が必要です。(探偵業法 第四条)

 

無届営業は6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。(第十八条)

 

懲役の場合もあるとは、かなり重い罰則です。

 

参考: 探偵業法の条文(e-GOV 法令検索)

 

届出は簡単で低費用

一方、「届出」は住民票・履歴書・誓約書などの書類を提出するだけの簡単な手続きです。

 

書類が揃っていれば自動的に受理され、届出証明書が交付されます。

 

実務経験がなくても届出可能だし、審査もありません。

 

届出は5種類の許認可(免許・登録・認可・許可・届出)の中で一番簡単なものです。

 

探偵に資格試験や免許はなく、「明日からやります」と届け出るだけで開業できるのです。

 

費用はたったの3,600円です。

 

参考: 探偵業の届出要領(警視庁サイト)

 

罰則が重いのに簡単な届出をしない理由は?

懲役刑になる恐れまであるのに、こんな簡単な手続きをしない理由は何なのか?

 

下記の4つのどれかです。

  1. 欠格事由に引っかかるので、届出できない。
  2. 営業停止や廃業の命令を無視して営業している。
  3. 探偵業法を守る気がない。
  4. 届出が必要なことを知らない。

どれにしても大きな危険を秘めています。

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

1.欠格事由に引っ掛かる場合

探偵業には欠格事由、すなわち営業が許されない条件が定められています。

 

誰でも開業できるけれど、欠格事由に該当する人だけはダメということです。

 

探偵業の欠格事由(令和元年12月の改定後版)
  1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
  3. 最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
  4. 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  5. 心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定める者
  6. 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が(1)から(5)又は(7)のいずれかに該当するもの
  7. 法人でその役員のうち(1)から(5)までのいずれかに該当する者があるもの

各条を読んでみてください。

 

まさに「こんな人が経営する探偵社は嫌だ!」の見本のようでしょう?

 

特に4番に注目です。

 

探偵業法が2007年に施行される前は、ヤクザがバックの探偵社が存在しました。

 

ぼったくったり、調査で得た秘密を売ったり、それをネタに恐喝したりしていたのです。

 

探偵業法の目的のひとつは、探偵業からヤクザを排除することでした。

 

欠格事由の人が届出すると?

届出の際には、欠格事由に該当しないという誓約書を提出します。

 

それでいったん受理されますが、後で警察が誓約書に嘘がないかチェックします。

 

欠格事由に該当と判明した場合、公安委員会は廃業を命じることができます。(第十五条)

 

暴力団員とかだったら確実に廃業命令です。

 

それだけでなく、届出添付書類の虚偽記載で30万円以下の罰金です。(第十九条)

 

だから欠格事由に該当するとわかっている人は届出を出しません。

 

無届の理由がこれだったら、とても怖いと思いませんか?

 

悪徳探偵の可能性が高い

欠格事由が無届の理由の場合は、悪徳探偵の可能性がかなりあります。

 

能力がなくて依頼者に迷惑をかけるのではなく、意図的にカモにするということです。

 

参考: 悪徳探偵の被害に遭わないために

 

2.営業停止・廃業命令を無視の場合

探偵業法や他の法令に重い違反をした場合、営業停止や廃業を命じられます。(第十五条)

 

軽い違反に対する指導(本条文内では「指示」という)を無視して改めなかった場合も同様です。

 

無届の理由は、営業停止や廃業の命令を無視して営業しているためかもしれません。

 

この場合、まずこの業者は過去に法令違反を犯したということです。

 

法令違反の例
  • 調査中に他人の私有地に入り、住居侵入罪
  • 鍵を壊して入り、器物破損罪
  • 戸籍情報を入手して個人情報保護法違反
  • 調査で得た秘密を漏らして探偵業法第十条違反
  • 生活の平穏を害する調査をして探偵業法第六条違反
    (尾行に気づいて怯えている人を執拗に追い回したとか)

何をやったのかわかりませんが、とにかく違法なことをして営業停止や廃業の命令を食らった。

 

なのにそこでも法律に従う気がないわけです。

 

遵法意識に欠けると言わざるをえません。

 

こんな探偵社だと、依頼者を違法調査に誘ってくるかもしれません。

 

他人の車にGPSをつけよう、他人の家に盗聴器を仕掛けよう、戸籍情報を入手しよう、などです。

 

依頼者が承知していた場合、バレれば共犯扱いです。

 

無茶苦茶な調査で警察沙汰を起こされる危険もあります。

 

3.探偵業法を守る気がない場合

届出が必要なのは知っているが、やらないという場合です。

 

単に面倒なのか、高を括っているのか。

 

いずれにせよ、遵法意識が希薄な点は重大な危険要素です。

 

「これくらいはいいだろう?」と重大な違反を犯し、依頼者を巻き込むかもしれません。

 

4.届出が必要なことを知らない場合

これは探偵業法をまったく知らないということです。

 

ひとつの業界に参入しようというのに、その業界の基本的な法規制さえ調べていない。

 

調査技術の方もきちんとしたことは何も知らない素人でしょう。

 

まったくの未経験者が仲間を集めて、YouTubeなどを参考に開業する例が実際にあります。

 

こういう人たちに頼んでもまともな結果は得られないでしょう。

 

まとめ

無届の探偵は次の4つのいずれかに該当する可能性が濃厚です。

  • 暴力団員など、欠格事由に該当する。
  • 過去に重い違反歴、または指導を無視した経歴がある。
  • 遵法意識に乏しい。
  • 何も知らない素人。

調査は過失または故意で失敗する可能性が高いです。

 

さらにはもっと深刻な被害に遭う危険もあります。

 

いくら安くても無届探偵だけはいけません。

 

届出だけは最低条件にしましょう。

 

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