家出人を探す時、探偵はどこを探すのでしょうか?
無数の選択肢があるようにも思えますが、実は典型的な行き先があります。
もちろん例外もあるのですが、比率から言えば既知のパターンに従うことが多いです。
これを知っていて、かつデータを蓄積していないと効率的な家出人探しはできません。
一端をご紹介します。
自殺を考えていない家出人の場合は一番多い行き先です。
お金がかからないし、寝泊まりしながら日雇いで働くこともできます。
なるべく大きな都市に行こうとします。
関東なら県庁所在地などはすっとばして東京に行きます。
地方都市だと知り合いに遭遇するリスクもあるし、居場所のない人間がくつろげる雰囲気もないからです。
東京だと良く見つかる地域は池袋・新宿と上野・秋葉原。
秋葉原はオタクの聖地だし、池袋には女子オタクの聖地「乙女ロード」があります。
家出人探しが得意な探偵は、よく見つかる地区、よく見つかる店に精通しています。
なお、素人が聞き込みをしても、お店は客のプライバシーを優先して、誰が来ているのか教えません。
それを突破するのも探偵のノウハウです。
自殺を考えている男性は決行の前に思い出の地に旅行する事が多いです。
これは男性に顕著な傾向です。
子供時代を過ごした町、学生時代を過ごした町、楽しかった旅行先・・・
行き先はひとそれぞれですが、死ぬ前に幸せだった日々を思い出したいのでしょう。
家族の話を聞いて正しい行き先を選ぶのは探偵のセンスです。
郷愁旅行の余裕などなく、もう決行する段階に来ている人は、いわゆる自殺の名所に行くことも多いです。
全国的に有名なのは富士山麓の青木ヶ原樹海です。
今は山歩きもできるように整備されていますが、道からはずれていくと果てしない広がりを見せる森です。
大量の酒を買い込んで奥に分け入り、泥酔した状態で首を吊るなどの行動が見られます。
捜索においては樹海に入る前の途中のコンビニやリカーストアでの聞き込みもします。
樹海を筆頭に、各地に「自殺の名所」と呼ばれるような場所があります。
関東では秩父の山地も多いです。
こうした樹林、産地の廃屋に滞在して結構の準備をしていることも多いです。
たとえ捜索目的でも無断で侵入するのは法令違反なので、ドローンがよく使われます。
一刻の猶予もないので、正しい行き先を選んで早く見つけなければなりません。
車で地方を走っている家出人を探すには、道の駅やSAの駐車場をこまめに見てまわります。
1回見に行っていなくても同じ場所を何度も確認することが大切だそうです。
例えば、夜中に戻ってきての駐車場での車中泊もよくあるケースです。
あと、娯楽の少ない地方ではパチンコ屋もよく見つかる場所です。
探偵の経験則から言うと、北に向かう家出人は自殺志向が強く、危険だそうです。
逆に南に向かう家出人が自殺することはめったにないそうです。
昔は家出人は都会に向かう傾向が顕著だったのですが、最近は地方に安いシェアハウスなどが増えていて、都会の家出人が地方に向かう例も見られます。
東京の家出人が沖縄のシェアハウスで見つかった例がありました。
また、東京の女子大生が大阪・釜ヶ崎のドヤで見つかった例もありました。
釜ヶ崎といえば日雇い労働者の町であり、1泊500円くらいからあるドヤは不潔で危険な宿泊施設というイメージです。
昔だったら東京の家出女子大生が行くなんて考えられません。
しかし、近年は日雇い労働者の激減に伴い、釜ヶ崎のドヤは海外バックパッカー相手の安宿に衣替えをしつつありました。
女子大生はネットでそんな情報を見つけたのかもしれません。
以上はすべてコロナ・パンデミック前の話です。
コロナ流行中は家出がほとんどなくなりました。
ネットカフェをはじめとする行き先がどこも閉まっているし、外に出て病気をもらうのも怖いから当然です。
3年近い空白期間の間にすべてがリセットされました。
コロナ後は家出人の行き先にも新しい傾向が出てくるかもしれません。
そういう情報を得たら、このサイトにアップしていきたいと思います。
個人情報保護法やストーカー規制法ができてから、探偵の人探しに対する世間の目が厳しくなりました。
受任する側もうっかりストーカーや闇金の人探しに協力してしまわないよう、非常に慎重になっています。
今では大半の探偵社は家族による家出人捜索以外は引き受けてくれません。
しかし、それ以外でもどうしても探してほしい人がいる場合があります。
初恋の人、昔の親友、命の恩人、お金を貸したのに消えた人、詐欺師・・・
そういう案件も引き受けてくれる探偵社があります。
コンプライアンス審査に問題がなければ、リーズナブルに受けてもらえますよ。