女性結婚詐欺師の手口

木嶋佳苗死刑囚

【木嶋佳苗死刑囚】

 

結婚詐欺の調査も探偵の仕事です。

 

結婚詐欺師というと婚期を逸した女性を騙す男性というイメージが強いですが、女性の結婚詐欺師もいます。

 

有名な事例は結婚詐欺に留まらず連続殺人まで犯した木嶋佳苗死刑囚です。

 

彼女については本も出ていて、手口が取材に基づいて紹介されています。

 

それを話題の中心に据えながら、女結婚詐欺師の実態を見ていきましょう。

 

ターゲットの男性

まじめでおとなしく、女性経験の乏しい中年男性が狙われます。

 

そういう男性は給料は安いケースが多いですが、遊ばないのでお金を使いません。

 

靴をボロボロになるまで履いて、人と会う時も食事はなるべく安い店を選ぶようなタイプです。

 

だから中年になると数百万円くらいの貯金は持っています。

 

騙しの手口と驚異の現金引き出しスピード

木嶋佳苗の場合、相手はだいたい婚活サイトで見つけています。

 

今後はマッチングアプリによる被害が増えるでしょう。

 

彼女の場合、「学生なので学費を援助してほしい」と言う事が多かったようです。

 

ほかにも母の手術でお金がいるとか、弟の学費だとか、いろいろな口実が使われます。

 

本当にセックスする場合もありますが、肉体と結婚をちらつかせるだけでお金を巻き上げるケースも多いです。

 

それが実に手早い。

 

搾取できるお金は数百万円が天井で、金遣いの荒い女詐欺師にとってはわずかな金額です。

 

男性に魅力がないことに加えて、1人にあまり時間をかけていられないというのもあるでしょう。

 

木嶋死刑囚の被害者の一人は知り合って2日後にセックスし、11日後に470万円を渡しています。

 

別の被害者は性的交渉すらないのに知り合って2日後に245万円振り込んでいます。

 

素朴な人間が相手とはいえ、お金を引き出すスピードは驚異的で、並外れた魅力と話術があったのでしょう。

 

木嶋死刑囚の場合、ぽっちゃり体形で美人ではありませんでした。

 

世間の人は報道写真を見て「デブだ、ブスだ、なんでこんな女に騙される?」と嘲りました。

 

しかし、実際に会った人はみな魅力があったと語っていたそうです。

 

これほどの腕前があれば詐欺師だけでずっと食べていけたはずなのに、彼女は連続殺人まで踏み込みました。

 

常識で判断すれば損得勘定の合わないリスク行動です。

 

彼女にはそこまでやりたくなる名状しがたい暗い衝動があったのだと思われます。

 

ちなみに彼女は3度の獄中結婚をしており、現在の3人目の相手は『週刊新潮』(新潮社)のデスクです(2019年4月24日結婚)

 

彼女を犯罪者として取材する側のプロ中のプロのジャーナリストを魅了するというのは、本当にただ者ではないです。

 

参考サイト: 首都圏連続不審死事件(Wikipedia)

 

周囲の親兄弟・友人の心理

とても結婚できそうになかった男性に恋人が現れたら、周囲の人も本当は祝福したいはずです。

 

しかし相手の人間性に問題がありそうで、お金も取り始めていたら・・・・

 

男性の将来を心配して、話を聞いたり、止めに入ったりするわけですが、当人の強い反発にあって中途半端な関与で終わりがちです。

 

被害に遭うのが心配な反面、人生最後の結婚のチャンスをつぶして一生恨まれるのも怖いからです。

 

確かに証拠がなければ詐欺とも言い切れません。

 

お金が必要な事情ももしかしたら嘘ではない可能性もあります。

 

だから憶測だけでは踏み込める範囲に限界があるわけです。

 

男性当人の心理

女性経験が乏しい中年男性は、「運命の女性」と信じ込んで盲目になっています。

 

相手の言うことを100%信用し、周囲の意見を聞き入れません。

 

木嶋死刑囚の被害者の一人は、交際に反対した姉の家で激昂して暴れ、警察を呼ばれています。

 

身内に警察を呼ばれるなんて、よほど暴れ方が激しかったということですね。

 

想像してみてください。

 

今までの人生で女は誰もまともに相手をしてくれなかった。

 

紹介や結婚相談所で相手ができた時も長くは続かなかった。

 

これから死ぬまで結婚のチャンスはないし、セックスすらできないかもしれない。

 

そう思って一人で生きてきたのに、初めて自分と結婚を考えてくれる女性が現れたのです。

 

「このチャンスを逃したら、人生は終わり・・・」

 

死に物狂いでしがみつくのも無理はありません。

 

被害を防ぐには?――探偵の活用

上記のような心理状態になっている男性に常識で説得しても効果はありません。

 

きちんと調べて事実を把握しましょう。

 

その中で明白な客観的証拠があれば、意見を聞いてくれる可能性もでてきます。

 

親兄弟・友人としても確信を持って説得できます。

 

探偵に頼んだ場合、次のような調査が可能です。

 

行動調査

尾行と隠し撮りのことで、相手の不審な行動の証拠を取ります。

 

結婚詐欺師の特徴は複数の相手と同時進行で交際していることです。

 

お金を搾り取っては捨てていくので、常に新しい交際相手を開発していく必要があるからです。

 

この行動の証拠が取れたらしめたものです。

 

何人もの男性と恋人然とデートしたり、ホテルにまで行っているような写真を見せれば、さすがに目を覚ますのではないでしょうか?

 

行動調査は、浮気調査の調査技法と内容的にはまったく同じなので、どこの探偵社も得意です。

 

ただ、正面から顔が鮮明に写った良質な証拠写真を撮ってこれるかどうかは技量の差が出ます。

 

そこの詰めが甘いと「似ているけど別人」と強弁され、男性は詐欺師の方を信じます。

 

内偵調査

聞き込みとデータ調査で相手の過去を洗い出します。

 

できればこれもやった方がより説得力が増すでしょう。

 

出身地や以前・現在の職場の知人友人から、問題行動の数々を知らされるかもしれません。

 

木嶋佳苗の場合も人口の少ない北海道の田舎町なのに、高校に上がってからは売春の噂が絶えませんでした。

 

聞き込みは、聞き込みとわからないように情報を集める技術がないと、相手に調べていることがバレて先手を打たれます。

 

これができる探偵社は限られています。

 

書籍紹介:「毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記」


北原みのり著 朝日新聞出版 刊

 

このページで紹介した木嶋佳苗の情報は上掲の本に基づいています。

 

ここに収録しきれなかった興味深いエピソードが満載です。

 

確信を持って凶悪な事件を重ね、死刑判決を下されても微動だにしない。

 

世の中にはこんな人間もいるのだと驚かされます。


風俗嬢のの男性対象詐欺

上記の詐欺に似たもので、風俗嬢が困窮を訴えて男性からお金をだまし取るものがあります。

 

結婚をエサにするのではないので結婚詐欺ではないですが、純朴な男性の気持ちを利用する点は同じです。

 

お金をもらった後、風俗嬢は姿を消します。

 

多くの場合、男性の被害意識は希薄で、探偵に所在調査を依頼してきたりします。

 

「あの時の話が全部嘘だったのかを知りたい」というだけの理由で。

 

別記事で上げておくので、興味のある方は下記リンク先を読んでください。

 

内偵調査が得意なお勧めの探偵社

結婚詐欺の調査では内偵調査の技術が重要です。

 

浮気調査ならどこの探偵社でもやりますが、内偵調査は難しい。

 

調査とバレずに調べられるスタッフがいるところは限られています。

 

MJリサーチはそういう数少ない探偵社のひとつです。