探偵業を知る上で役に立つ本をリストアップします。
どれも管理人がコツコツ集めて読んできた本です。
林えり子 著 六興出版 刊 1,400円(税別) 廃刊
日本で最初の私立探偵事務所「岩井事務所」が輩出した、日本で2人目の女流探偵・芹沢雅子の実録です。
著者はノンフィクションライターで、戦時中の女スパイ川島芳子に関する話を連載していたところ、川島と親交のあった芹沢から連絡があり、取材に至りました。
岩井事務所立ち上げや芹沢の入社の経緯のほか、芹沢が調査した案件の顛末が載っていて興味深かったです。
小原誠 著 バジリコ 刊 廃刊
探偵歴38年(2010年現在)、今も新宿に事務所を構える小原氏の調査経験をまとめた本。
探偵の知られざる実態がわかる内容で、読み物としてもおもしろいです。
継野勇一 著 出版文化社 刊 1,300円(税別) 廃刊(Audible板は配信中)
インターネット勃興期からSEO(検索エンジンでの集客)に力を入れて成功してきた赤井探偵事務所代表の著書です。
本の中身は調査エピソード集とノウハウの公開です。
渡邊文男 著 しょういん 刊 667円(税別) 廃刊(Kindle板は配信中)
日本で最大の探偵フランチャイザー・ガルエージェンシーのオーナーの自伝です。
成功・失敗併せて語る赤裸々な話が魅力的です。
金澤秀則 著 中央経済社 刊 1,800円(税別)
老舗探偵社(株)児玉総合情報事務所の二代目代表による業界案内本。
調査手法や調査事例が具体的に記載されていて、興味深い本です。
松本耕二 著 財界さっぽろ 刊 1,600円(税別)
北海道警察出身の探偵が書いた業界案内本です。
北海道発祥の全国大手有名社・さくら幸子探偵事務所の探偵学校が監修しています。
業界の事情や調査種別の依頼の仕方などを収録した実用的な本です。
葉梨康弘 著 立花書房 刊 1,715円(税別)
探偵業法成立に中心的役割を果たした元衆議院議員による裏話です。
成立の過程でどのようなことが問題になり、どんな議論がなされたのかがよくわかります。
乃南アサ 著 新潮社文庫→幻冬舎文庫 刊
結婚詐欺師を主人公とする小説はたくさんあると予想していましたが、ずいぶん探したのに見つかったのはこれだけでした。
そういう意味で貴重な一冊。
犯罪・警察小説の名手だけあって、しっかりした取材に基づいており、結婚詐欺の実態理解に役立ちます。
もちろん、ストーリーも楽しめます。
北原みのり 著
木嶋佳苗は女結婚詐欺師にして連続殺人犯の死刑囚です。
女性経験の乏しい中年男性をどう騙すのか、手口を学べます。
黒川博之 著
「後妻業」とは、資産家の独身老人男性と結婚しては殺害し、次々に資産を奪っていく結婚詐欺のことです。
これをテーマにした犯罪小説で、映画やテレビドラマにもなりました。
黒川博之氏は、ミステリ・警察・犯罪小説を多数発表している直木賞作家だけに、取材に基づいたディテールとストーリーの起伏が楽しめます。
勉強になり、かつ面白い本です。